ロードムービー 人生談話。

詩を、歌詞を、時に、日々の語り部を。

ラストシーン



冬の澄みきった朝


窓を開け
煙草に火を付ける
珈琲を淹れる


タバコの煙は出ていき
コーヒーの香りある湯気も
出ていこうとする


その窓から


鐘の音が
礼拝の讃美歌が
近くの教会から
転がり込んでくる


外では
雪がきらびやかにチラついている


旅は終わる
帰るべき場所へ
帰らねば


タバコの煙や
コーヒーの湯気のように
出ていかなければ


降り積もる雪は
冬の街を飾るのだろう


鐘の音や
讃美歌や
私の旅情を残して